2014年1本目:劇場版『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』観てきた

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red-hoodのルール第1条「アイドルは有名になる前が重要」

テレビ放送が始まる前に観ておかねばということで公開初日に観てきました。劇場版の話があるとないとでは面白さが変わるので、パンフレットのインタビューでは冗談と言っていましたが、劇場版とテレビ版の分け方に苦労したことがうかがえる。

劇場版は年を越す前の話となっている。WUG!の事務所GREEN LEAVESがWUG!のメンバーを集めて、テレビ版で少し流れたパンモロで有名な初ステージライブまでを描く。テレビ版の1話のオープニングテーマ中の絵はこのダイジェスト。

劇場版の冒頭のナレーションで「誰かを幸せにすることの3つのタイプ」の話が出てきます。「見ず知らずの多くの人たちを幸せにすること」、「身近な人を幸せにすること」、「自分を幸せにすること」の3つで、このアニメの重要なテーマだと思うのですが、テレビ版1話ではどこにも入らなかった。ゆえに劇場版を観ていないことの差は大きい。

序盤は、WUG!のオーディションを使って、各キャラクターの紹介を交えながらWUG!の結成と話は進みます。公式サイトのキャラクター紹介に記載されている内容ですが、彼女らがどうのような境遇でアイドルを目指したのかという部分を確認できるので、このシーンも非常に重要に感じます。そして、『Wake Up, Girls!』という名称には重大なオチがあるのですがこれは劇場版のお楽しみ。

そして、『Wake Up, Girls!』は活動を始めるのですが、そこはまだ寄せ集めのアマチュア、売れないことに嫌気がさすメンバーなどまとまりがありません。ここでの社長丹下の言葉はわりと丹下失踪につながる重要な要素だと思うのですが、テレビ版だけを観ると持ち逃げした悪い奴という印象になってしまいます。まあ、やり方は最悪ですけどね。

『Wake Up, Girls!』の核となるメンバーを探していたマネージャー松田は、オーディションで藍里の付き添いできていた真夢と公園で出逢います。彼こそが核となるメンバーと確信した松田は真夢をスカウトしますが、真夢は現在アイドルの頂点であるI-1クラブの初代センターだった人物でした。ここから社長の失踪、真夢の参加、ステージライブまでがメインのお話となります。

ここのラストのシーン、真夢がI-1を止めた理由と参加への決意、社長失踪での絶望、ステージライブと非常に切なくなりました。

テレビでもパンモロで有名なステージライブのシーンですが、このパンモロには決意が隠されています。テレビではカットされているので本当にもったいない。ちなみにこのライブのシーン、秒間30フレームで描かれているそうです(他は24フレーム)。

と作品を振り返ってみましたが、本当にこの劇場版を観ていないだけでこの作品の評価が下がってしまうのは残念でなりません。

最後にパンフレットを読んでいて、非常に驚いたのがキャラクターの名前と声優の下の名前を意図的に一緒にしたということです。島田真夢役は吉岡茉祐、林田藍里役は永野愛理という風にです。これはライブで呼ぶときに困らないようにという仕掛けらしいのですが、ここまで計算に入れて作っているというのはすごいなと。

なお、ストーリー自体はフィクションだけど、中の人の趣味趣向や人生はいろいろ取り込んでいるとのこと。本当に二次元と三次元の境目がなくなるようなアニメです。今後も注目してきたい。

そうそう、仙台発のローカルアイドルって設定なんだけど仙台ってわりと標準語なんですかね。

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以下、完全にネタバレ。

ライブのパンモロですが、社長の失踪により資金がなくなってしまったWUG!は衣装も作れず、各々の制服でライブに挑むことになります。本来はミセパンを履くところですが、それに気が付いたのはライブの直前で、松田が急いで買いに行こうとするも、時間がないし、観られて減るものではないとこのままで踊ることをメンバー全員が決意するのです。それがアイドルの覚悟かと言われると少し違う気がしますが、意気込みと団結をみせたいシーンだったんじゃないかと思います。テレビではここがないので下品な印象を受けてしまうのが残念です。

丹下社長の失踪の意味にについて、メンバーがまとまらないという話をしているシーンにて、丹下社長が「時期がくれば勝手にまとまるわよ」的なことをいいます。やり方は悪手ですが、おそらく失踪はこれのことではないかと思われる。

「Wake Up Girls!」の名前は事務所近くのラブホテルと同じ名前だったという落ちがある。

真夢がI-1クラブの初代センターを辞めた理由はおそらく母親の離婚。劇中で母親の実家に住んでおり、父親が登場せず、母親と確執があることから。

2 COMMENTS

はやま

減る物はない、というけど、テレビ版での説明足らずなパンモロで、実際はごっそり減ってしまった気がする。
色々考えているのはよくわかったけど、3話くらいまでに色々取り戻せるか。

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red-hood

さらにちょっと劇場版だけのネタを追加してみた。

減るものはないのは劇中での意味で自分たちの名声的な方。まあ、現実とリンクしているので、現実のファンが減ってるではないかという指摘も間違いではないけど。

おそらく「誰かを幸せにすることのタイプ」を書くキャラごとに掘り下げていくと思うので、劇場版がなくても大丈夫な感じにはなっていくと思うのだが。

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