2014年5本目:『黒執事』観てきた

なんてメイドだ!

予告編でアクションが面白そうだったので失敗を恐れない映画鑑賞の会のメンバーと観てきた。演出がクドいところがあるものの全体としてはストーリーもアクションもしっかりしていて良い映画だった。ちなみに原作はよく知らない。なお、監督のひとりはテレビ版のTIGER&BUNNYの監督だったさとうけいいち。

世界は女王の統治する西側諸国とそれに反対する東側諸国に分かれていた。この設定は009ノ1でアカンかった設定やと思ったが杞憂だった。セバスチャンが仕える幻蜂家はファントムハイヴ家の末裔ということらしい。2020年という設定なので原作よりも200年ぐらい?後。この時代でも女王の番犬をしており、今回も女王からミイラ事件の解決を依頼されるというお話。

冒頭からセバスチャンが食事用のナイフ1本で敵をバッサバッサ捌いて、敵を蹴って宙返り、銃を持った敵は一緒に引き金を持ってぐるぐる回して掃射と非常に恰好良いアクションシーンが続く。そして、敵に人質を取られたときは悪魔らしい弾の避け方で魅了と3年のブランクを感じさせない水嶋ヒロの演技だった。もう、テリー・ボガードの中の人橋本さとしがぼっこぼっこに。

その後、綺麗なお城(幻蜂家)に戻り、劇場版の舞台設定みたいな説明を交えて、事件の内容のあらましが語られる。このシーンで必殺の「クソガキ」が出てくるんだけど唐突すぎて笑った。原作を要素を無理入れよとすると逆に浮いてしまうという状態になっているので、ここまで吹っ切っているなら無理矢理ねじ込まなくてもいいかも。

この幻蜂家のシーンから新人メイドのリン(原作でいうところのメイリンっぽい)が出てくるが、まっすぐの何もない廊下でお盆に乗せた水をガタガタさせてこけるという器用なことをやってのける。以降ドジッ娘メイドとして、清玄(原作でいうところのシエルっぽい)の邪魔ばかりするのでなんなのこのメイドと思ってたが、メガネをメチャクチャ恰好良かった。二丁拳銃のガンカタに敵の首に飛びついてそのまま敵を軸にして回天二丁拳銃掃射とかムチャクチャ恰好良い。予告の動画でも少しだけ拝める。

なお、アクション監督は大内貴仁というお方。邦画では劇場版SPなどを手がけているみたいだけど作品が少ない。普段は香港、中国でアクションのアシスタントやコーディネータをやっているみたいだ。

そして、事件は核心に。ここから邦画の良くないところが見え隠れしてくる。とにかく回想という演出が多すぎる。まるで船越英一郎が出てくる崖の上みたいだ。これのトリックはこうで、あのときその場にいたのは誰で、ピンチに間に合ったのはこういう理由でみたいな説明が多すぎる。そんなものは劇中の流れで大体分かるというに。日本人はそんなに馬鹿か。もう巻き戻しの演出が入ったときは呆れた。ここさえなければもう少し良い作品になったのだが。さらにエンディングもダラダラと長い。なん……だと……的なところで終われば良いものを。

栗原類の出番少なかったけど恰好良かった。剛力彩芽はまだまだ修行が必要かな。まだ自分が強い感じがする。

それにしても興行的には厳しそうだ。2日目の日曜日の新宿ピカデリーのいちばん大きいシアターで3割ぐらいしか入ってなかった。よほどの原作絶対主義ではなければ楽しめると思うんだけど。共同プロデューサーに水嶋ヒロ、エンディング曲の作詞作曲に絢香と家族ぐるみで掛けている感じが伝わってくるので成功して欲しい。

あと、アンケートで限定版を出すようなことが書いてあったけど止めた方がいい。それよりも1枚2000円ぐらいで出せる努力を。

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