『猫耳天使と恋するリンゴ』を読んだ

red-hoodのルール第3条「兄貴のエロ本の隠し場所を知っている妹は反則」

2013年の第9回MF文庫Jライトノベル新人賞の佳作作品。偶然、天界から落ちてきたリンゴを食べてしまった主人公花神一樹は、公園で出逢った天使と一緒に片割れのリンゴを探し天界に返す手伝いをするというお話。プラトニックなお話と思ったが、主人公が通報レベルの変態だった。イヤラシい感じはしないけど。

主人公が死刑レベルの変態ということとファンタジーな部分の説明を丁寧に書いてしまっており、言い訳をしているような感じになってしまっているところ以外は、読みやすい文章に驚くような展開で面白かった。日日日の蟲と眼球シリーズの結末を読んだときの驚きに近い。

リンゴの片割れを探す話が中心で、そのリンゴの片割れを持っているのは、ヒロインで幼なじみで主人公と相思相愛の白木雪姫。リンゴを元に戻すためには、リンゴの片割れを食べた女の子が夢を叶え、そのリンゴが体の表面に現れたときにリンゴの片割れを持つ男がそのリンゴの印にキスする必要がある。

という状況なので主人公一樹は雪姫の体のどこのリンゴがあるのかを探すために雪姫に裸になるように命令したり、裸の猫耳天使に服を着せる前に手を胸の前に持ってこさせて「にゃん」と言わせたり、死刑レベルの変態である。さらにニーソとスク水フェチと救いようがない。でも、変態ではあるんだけど、いわゆるそういうのをメインとしたラノベと比べてエロさを感じないのは不思議なところ。あまりに自然体すぎるからか。

そんな兄を上から目線で貶す妹の双樹がまた可愛い。このラノベでいちばんハマったキャラでした。

一樹「男のロマンは女子にはわからないんだよ」
双樹「わかりたくもないってば、ニーソに興奮する兄のロマンなんて。ちなみに『姉妹どんぶりニーソックス盛り』にはさすがにボクも引きました」
一樹「……ごめんなさい」
双樹「『ニーソの神秘』なんて、ボクにはちっともわからない」
一樹「やめて、雑誌のタイトルで兄さんをなじるのはやめてっ」

など、一樹を攻めるやり取りが面白い。これで一樹の食事の世話を全部見ているというスーパー妹である。

少し気になるのは、現実ではありえない設定についての説明が細かすぎるため、逆にいいわけのように聞こえてしまうところである。もちろん説明せずご都合的に処理される要理はマシなのですが、そこまで細かく説明しなくてもと思ってしまいます。

お話の途中は一樹と雪姫がイチャイチャする展開が中心になるので少し退屈でこのまま終わるのかなと思ったら、最後の最後で驚きの展開がありました。少し眠いなと思っても最後まで我慢してください。

お話はまだまだ続くようなので次巻も楽しみです。

それにしても最近の新人賞ってお金かかってるよね。PVとか主題歌とか。

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