科学忍者隊をやめたら大変なことに【実写版映画ガッチャマン】

若干記憶違いがあるかもしれませんがネタバレ全開です。これから観る人は観た後に私の感想と比較してみてください。

構成をしてないんじゃないかというくらいその場しのぎの話やら演出で本当に酷い脚本と演出だった。この監督のテレビドラマ「家政婦のミタ」は面白かったけど、映画向きではないようだ。結末から考えると、人類が衛星レーザー(名前忘れた)を開発しギャラクターを倒せばいいなどと考えなければ、ギャラクターは襲ってくることもなかったし、1000万人はカフェにいったり、ショッピングをしたり、ぬくぬくと生活できのではないかという話になり、意味が分からない。ギャラクターは何も悪くないじゃん。

よかったのは開幕のおはよう戦隊ガッチャマンとバンプのエンディング。おはよう戦隊は爆笑だった。いいセンスしてる。CGはパシフィック・リムと比べては可愛そうなくらいに予算に比例したでき。役者の演技は気になるほど問題なかった。若干、綾野剛のジョーと岸谷五朗の南雲博士に違和感があったけど、これは得意な役ではなさそうなのでキャスティングの問題か。

設定がおかしい

わずか17日で地球を半壊状態にしたギャラクター。人類の兵器はギャラクターがもっているバリアに阻まれ一切通じない。そんな無敵なギャラクターですが、日本やアメリカ大陸(ニューヨーク、ロス、リオ)、オセアニア(シドにー)は人類から奪い取っていない。それどころかそんな脅威が隣に存在しているのに、人類は普通に月給をもらってショッピングを楽しんだり、カフェで談笑したりしている。どういう世界なんだ。ぶっちゃけ、南雲博士やガッチャマン、カークランド博士がギャラクターに抵抗し攻撃しなければ、この生活を維持できた可能性がある。

そんな人類は衛星レーザーを完成させていた。しかし、前述の通りギャラクターは強い。このような衛星レーザーを作ったところでガッチャマン以外に守れないのは明白。ギャラクターは宇宙に行ける要塞も保有している。人類にしか制御できないとしてもその人類がもろいのでは意味がないのではないか。

シナリオがおかしい

ガッチャマンや人類が有利になるように動くギャラクター。ラストでガッチャマンは敵の衛星レーザーによる攻撃を止める手段を失ってしまうのだが、なぜかその衛星に向けてギャラクター(ベルク・カッツェ)は自分の要塞を衛星にもっていこうとする。なぜ、ガッチャマンに停止させられるようなチャンスを与えるのか。意味が分からない。

無駄が多い

イリア保護の際のパーティーに潜入するシーンがあるんだが、入り口の指紋認証で何度も失敗しする。このパーティの入り口だけで何分も尺をさくのは意味が分からない。スパイものではないガッチャマンにこのシーンは何の意味があるのか。そもそもなりすます人物をパーティに着いてから探し、リアルタイムにハッキングし書き換え、書き換えの対象となった人物はパーティ近くで見つけて睡眠中で眠らせるなんて行き当たりばったりすぎるし、そんなことを本当にガッチャマンでみせる必要があるのか。

竜が母と慕う人の余命が短いことを理由に除隊を考えていることを告白するがとくにそれが生きることもない。そもそも石の適合者であるかがりガッチャマンをやめられないのではないか。

全般的にジュンの色恋妄想も和み要素程度ならいいけど必要ない。これがナオミ(ベルク・カッツェ)、ジョー、健の関係に深みを与えているかというと蚊帳の外だ。見苦しくナオミ(ベルク・カッツェ)が悪足掻きするなら別だったかもしれないが、それはそれでメロドラマだ。まるでフラッシュフォワードの不倫話なみにどうでもよい。

こまかく突っ込み

地球はわずか17日間でギャラクターになかば壊滅状態にさせられ、人類は絶滅の危機に瀕しているんだけど、甚平とジュンがカフェで談笑していたり、ジュンがたっぷりと服の買い物袋を持っているシーンをみるにギャラクターの脅威は全くない。人類の兵器を無効化するバリアを持つギャラクターが圧倒的に優位な状況でなぜ人類を生かしているのか分からない、伝わってこない。もし、私がギャラクターなら人類にウィルスXをばらまき適合者を片っ端から探し出す。

わりと平和ですが、突如ギャラクターが中野に襲来。人類をばったばったと倒していきます。銃身をバリアに貫通させて撃てば攻撃できるという設定があるんだからもう少し考えて戦えよ。そんなモブが蹴散らかされたところでガッチャマン登場。ギャラクターを逆にばったばったと倒していきます。いちばんガッチャマンが活躍したのはここなんじゃないだろうか。

ガッチャマンの働きによりことなきを得たようにみえたが、真の目的はギャラクターのボスであるベルク・カッツェが、人類の支配地域に潜入することだった。ギャラクター内での権力闘争に敗れた幹部イリアが作戦情報を持って人類に亡命しようとしているので殺しにきたのだ。しかし、ガッチャマン以外に守れる人いなさそうですけど、よく亡命してきました。

そんなギャラクターの作戦情報を喉から手が出るほど欲しい人類はイリアの保護と亡命の受け入れを約束します。ところがこのイリアは現在のガッチャマンが結成される前、健とジョーがナオミとよばれるメンバーと作戦を行っていたときにナオミを殺した仇だったのです。命令だとして感情を殺して命令に従う健、仇討ちを狙うジョーとでガッチャマンは内輪もめを始めてしまいます。藁の盾か。

健の無茶な行動で婚約した数分後にナオミを失ったジョーの怒りはおさまらず、イリアが殺されそうになりますが、健がジョーを撃ってことなきをえます。でも、ナオミは健が好きだったみたい。

イリアを無事保護した人類はギャラクターの作戦情報をえます。人類の科学者を殺すことを狙っているようだ的なざっくばらんとした作戦を。そして、なぜか執拗にイリアはカークランド博士を挑発します。これに怒り心頭なカークランド博士は、ギャラクターを滅ぼすしかないと、自身が開発した衛星上レーザー(名前忘れた)の照射でギャラクターを滅ぼす作戦を提案し、承認されます。ガッチャマンなしにギャラクターに勝てないのに衛星レーザー作ったら宇宙にも行ける要塞を持っているギャラクターに占領されるだけだろ。

しかし、カークランド博士の怒りはおさまりません。ついにはイリアが収容されている電磁牢部屋に押しかけて俺の衛星レーザーで滅ぼしてやると罵倒します。でも、イリアはまったく動じません。そんな態度に業を煮やした博士はなぜか作戦の中止には博士自身の生体認証が必要だとぺらぺら話してしまいます。お前は悪の幹部か。都合いい奴だな。

衛星レーザーの情報を入手したイリアは博士をつれて基地を脱出しようとします。南雲博士はイリアの罠により死にかけていた甚平よりもイリアの確保を命令します。人類の希望であるガッチャマンのひとりをこんなことで失っていいのか南雲博士。なお、設定ではガッチャマンが28人いるようですが映画上では分かりません。

そんな甚平をほっておいてイリア探しに向かった健ですが、どこをさまよっていたのかイリアを見つけられません。かわりに見つけたのはジョーでした。もちろん仇討ちです。しかし、イリアはなんとベルク・カッツェだったのです。しかも、ベルク・カッツェの正体は殺されたと思っていたナオミでした。そう石の適合者は同時にギャラクターの適合者でもあったのです。ナオミは死んだ後に先代のベルク・カッツェにギャラクターとして生きるか、エージェントとして死ぬかの選択を与えられていた。人類に使われて人類を守ることを強いられていたエージェントに納得していなかったのか、健にフラれたのがショックだったのか、ギャラクターになることを選びます。なぜだナオミ。そんなナオミをジョーは倒すことができません。逆にウィルスXを移されてギャラクターにさせられそうになります。

しかし、ベルク・カッツェの衣装、ドロンジョ様を思い出す。タイムボカンの映画でかなり評価されたから似たような格好を思いついたのか。

衛星レーザーのキーを手に入れ基地に帰ったベルク・カッツェは衛星レーザーの矛先を人類の都市に向けます。人類の最後の希望はガッチャマンに託されました。ガッチャマン出動です。しかし、イリアが逃げ出した際、甚平を殺しかけた健を竜とジュンは信用できず分裂してしまいます。そんなゴタゴタを尻目にジョーがひとりで行くと言いますが、南雲博士の5人で行けという命令に渋々5人で出かけます。さっきの健への不信感の件はなんだったんだ。

ゴッドフェニックスの使用許可も出てベルク・カッツェの要塞に乗り込むガッチャマン。衛星レーザーの攻撃を阻止しようとするも、あと一歩のところでベルク・カッツェに邪魔され東京への攻撃だけ阻止できません。衛星レーザーの攻撃が阻止されようがされまいが、ギャラクターの土地が攻撃対象じゃない時点でベルク・カッツェ的にはどうでもいいはずですが、ここでなぜか衛星に向けて要塞を浮上させます。わざわざガッチャマンに衛星レーザーの攻撃を止めさせるチャンスを与えるようなこのベルク・カッツェの行動は意味不明すぎ(笑)。

ベルク・カッツェの正体を知っているジョーは、健に知られる前にケリを付けたいと思ったのか先回りしてベルク・カッツェの元にたどり着きます。しかし、ためらいがあるのかなかなかベルク・カッツェを倒せません。それどころか逆にベルク・カッツェに倒されて、ウィルスXを阻害していた石の効果も止まり、次代のベルク・カッツェにさせられそうになります。そんな時、健がベルク・カッツェの元にたどり着きます。健もベルク・カッツェの正体には驚いたようですが、ジョーが数分間死闘しても倒せなかったベルク。カッツェを一撃で倒します。ジョーさん……。

そんなこんなでベルク・カッツェも倒し、ベルク・カッツェが浮上させた(なぜかジョーが起動させたことになっていたが)要塞も衛星レーザーに衝突し、衛星レーザーの攻撃も阻止できました。あれ、これガッチャマンいなくても衛星破壊されてたんじゃね?(笑)

そして、命からがら爆発する要塞から脱出。爆発の炎に包まれたゴッドフェニックスが赤く燃えています。これをみた甚平くん、これを科学忍法 火の鳥といってしまいます(笑)。こんなただ爆風で赤く燃えてしまっているゴッドフェニックスが火の鳥なの? しかも、ここで設定にはない科学忍法登場。セリフ考えてる奴適当すぎだろ。

そして、バンプの素晴らしいエンディングが流れ、衝撃のラストが。

正気か!

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