スチームパンク+カンフーな映画

カンフー好きな友達に「太極ゼロ」、「太極ヒーロー」という映画に誘われたので観に行ってきた。ちなみに太極と書いてタイチと読む。

まずは、「太極ゼロ」。

時は清朝、西欧列強の侵略に混乱した時代。天賦の才能を持って生まれた主人公楊露禅(ヤン・ルーチャン)は、額にある肉芽を押されると無敵になる反面、使いすぎによって死期が迫っていることを軍医に告げられる。この体質を改善するため、陳家拳の習得に使い手が住む陳家溝を訪れるが、陳家拳は一族以外への伝授は禁止された秘拳であった。

この映画、とにかく実験的な要素が多く取り入れられており、今までのカンフー映画の良いところは残しつつ斬新な表現が満載だった。一番目立つのは、画面上に表示される文字情報である。まるでゲームの中の街を歩くようにここは「郵便局」みたいな字幕がポップアップする。拳法を使えば重心の移動まで表示してくれるとゲーム画面をみているような映画だった。また、敵との対決シーンのバックにメロディックデスメタルが流れたり、ヒップホップが流れたりととにかく斬新。蓄音機から流れるクラシックで場面を表現しているのもうまいと思った。

主役は中国の武術大会でチャンピオンになったユエン・シャオチャオ、ヒロインはモデルのアンジェラベビーということで、演技もアクションもあまり期待していなかったけど、どちらもかなり良い演技をしていて、特にアンジェラベビーはモデルとは思えないカンフーを披露していた。

アンジェラベビー公式サイト

どこにスチームパンクがという話ですが、陳家溝に鉄道敷設にやってくる西洋の息がかかった連中の持ってくる巨大要塞がスチームパンク。鉄道を自動で敷設してくれる便利なマシンですが、これが要塞並みに大きいので村を蹂躙してしまうという。地球クリーン作戦のような話です(そこまで酷くはないですけど)。

カンフー全快の展開の早い映画を期待すると少し拍子抜けするかもしれませんが、全体的にはバランスにとれた良い映画でした。捜査官Xに耐えられたあなたなら大丈夫。もう少し序盤のストーリーを圧縮できると良いかなと思います。お笑い要素もたくさんに入っていて楽しめます。まあ、笑いをとりたいのかシリアスにやりたいのか分からないシーンも多々ありますが。

3部作の2作目が「太極ヒーロー」。

前作ゼロのラストでいろいろあり陳家拳を使うことを許された主人公楊。なんとか軍隊は追い返したものの、屈辱を受けた敵軍の将の怒りは収まりません。今度は村を出て行った師匠の長男を鉄道敷設の使者として送り込んできます。

前作のゲーム画面のような表示が不評だったのか今作は控えめでした。ただ、2作目の公開まであまり間がないところをみるとあえて入れなかったのかも。アクションのかっこよさは健在。敵の周りをくるくる回るのは少しやり過ぎな感じもしますが、太極拳が支点?の移動でバランスをとる動きなら分かる気がする。アンジェラベビーのじゃじゃ馬っぷりが本当にかわいい。さらに、蒸気機関の飛行機が話を盛り上げます。ちょっとその機関銃掃射どうよって笑えるんですが、最後は感動的なお話でした。

そうそう、この映画の関係者がメロデスが好きなのかヒーローのエンディングテーマはIn Flamesの「The Mirror’s Truth」という2008年発表のIn Flames近年の名盤「A Sense Of Purpose」のリーダートラックでした。ナイス選曲といわざるを得ない。どんな曲か知りたい人は、ニコニコあたりで検索してみてください。名曲なので。

しかし、この映画、2日目にして客が10人程度しかいませんでした。同じ映画館でやってた大武当は知ってたけど、こっちは全然知らなかったのでかなりマイナーなのかもしれませんが、それにても人が少ない。3作目もやってほしいんだけど、映画館での公開はないかもしれませんね・・・・・・。

コメントを残す(メールアドレスとウェブサイトは任意です)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください