tomorrow to you

『絶叫学級』シリーズで有名ないしかわえみの同名短編をまとめた単行本。

主人公が手にしたノートが過去または未来の誰かのノートとつながってしまい、お互いにやり取りできるようになってしまうお話。媒介するものは違うけど、何かを通じて時を超えて通じてしまうのは少し『君の名は』に似てるなって思ったり。『tomorrow to you』が初めて連載されたのは2015年末で『君の名は』よりは少し早いんだけど、ほぼ同じ時代に同じようなことを考えている人がいるってのは面白い。

最初の『tomorrow to you』は過去の人物とつながってしまう話で、過去の人物が知らない未来の話をして盛り上がって恋愛感情に発展する、その彼の助言で救われるという感じの王道ストーリーで悪くはないけど新しさもない感じ。

次の『tomorrow to you』は設定を生かした結構作り込んだストーリー。エリート家族のなかで落ちこぼれとして悩む主人公と未来の無気力系男子がつながってしまう話。未来で主人公の結末を知ってしまった無気力系男子が主人公を助けるためにノートを使って奔走するけど、その結果自分が亡くなってしまってという感じでノートを使っての歴史の改編が面白いお話。最後は医者になるのかなと思ったら少し期待を裏切る展開に。この流れは……って感じで、いしかわ先生ラストは『君の名は』に影響されましたか?

最後の『tomorrow to you』は少女漫画らしい出会いと別れの話。主人公が未来の今仲の良い幼なじみとつながってしまって、上手くいかなくて分かれたことを告げられるというお話。未来を知ってしまった主人公の女の子の心の動きが面白くてキュンキュンしますという歳でもないけど、面白かったです。

あとは最初の話の後日談も載ってました。ノートでつながってた男子の15年後の人物と会ってしまいという話。ですよねーという短編でした。

ちょっと不思議な恋愛ストーリーが楽しみたい人にお勧めです。

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