coco賞で振り返る2013年に観た映画その3

さらに前回の続き。7月から9月は19本を劇場で観ました。アジア、洋画、アニメとバランスよく観まくったなぁ。

7月は『TAICHI/太極 ゼロ』、『TAICHI/太極 ヒーロー』、『風立ちぬ』、『SHORT PEACE』を観ました。この4本を2日間で観るというハードスケジュール。

『TAICHI/太極 ゼロ』、『TAICHI/太極 ヒーロー』はカンフー×スチームパンクという少し変わったカンフー映画。ゼロではゲーム画面のような独特な文字や記号による演出もあったのですが、不評だったのかヒーローではなくなくなっていた。主人公演じるユエン・シャオチャオのアクションはキレがあって恰好いいし、アンジェラベイビーも可愛くてアクションも良かったので、全体的には良い映画なんだけど少しお話の盛り上がりには欠ける感じ。敵役の人もいろいろと不運が重なっただけなのに全然救われいないし。厨房の上でのバトルは設定もさることながらアクションも面白かった。太極拳が好きな人は観て損はないと思う。そして、IN FLAMESの楽曲を劇中に使ってくるあたりこの監督は分かっている。最高だ。

『風立ちぬ』は先日引退を撤回した宮崎駿監督のジブリアニメ。実はジブリアニメを劇場で観るのは初めて。この映画は派手さはないんだけど、不思議と話に引き込まれる感じで良かった。声優庵野秀明もまあありかなあ。

『SHORT PEACE』は大友克洋の『火要鎮』を中心に大友克洋原作の作品を他のクリエーターが監督するというオムニバス作品。『火要鎮』の元になった古典が分からなかったので大友克洋の作品がいちばん意味が分からなかった(笑)。全体的にもパンチ不足かな。

8月は『ローン・レンジャー』、『アイアン・フィスト』、『パシフィック・リム』、『オーガストウォーズ』、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』、『ガッチャマン』、『マン・オブ・スティール』、『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の8本を観た。邦画のレベルの低さに絶望した。

『ローン・レンジャー』は「インディアン嘘つかない」で有名なアメリカのドラマの西部劇。いろいろと惜しい作品だった。基本的に主人公が非戦で盛り上がらないしテンポが悪くストーリーが冗長。前半と後半の列車でのバトルは非常に迫力があったのでもっと良いものにはできたとは思うんだけど。ここ最近ジョニー・デップの映画で当たりないな。演技が謎すぎるんだよね。

『アイアン・フィスト』は両腕を切り落とされた鍛冶屋が自分の腕を鍛冶で作り直し復習するお話。お話を村の中の抗争というコンパクトなお話にしたことにより、分かりやすく濃厚なアクションを楽しめた。強いて言えば題名から鍛冶屋が主人公名はずなんだけど、なぜか組内の下克上で親父を殺され復習に燃える若頭の方が目立つという構成で主人公があまり目立たない。いつアイアン・フィストなるんだよ的にヤキモキするほど引っぱられるのも。タランティーノ好きは観て損はない。

『パシフィック・リム』は我らがギレルモ・デル・トロが趣味を映画に注いだ傑作。怪獣好き、ロボット好き、日本好きというのがこれでもかと伝わってくる作品だった。外国人監督が怪獣ものを作ると言う度に旧ゴジラの失敗を思い浮かべますがが、この作品は本当に怪獣を良く研究されているので日本人も満足なはず。香港沖がクライマックスっぽかったシナリオ構成は内緒にしておく。あと、菊地凛子の良さが分かりません。日本語のセリフも(笑)。

『オーガストウォーズ』は2008年にロシアとグルジアの間で起きた南オセチア紛争通称8月戦争を題材にしたロシア映画。この日記のアイキャッチにもなってるけど、このアイキャッチを観るとかなりミスリードされる。ロボットバトルと見せかけて、この紛争を通じて親子の愛と未熟だった母親が子供のために成長していく姿を映す感動作品。初めはなんだよこのビッチ母って感じなんだけど、後半は母親って凄いなと感動する。ロシアで製作されたため見解はロシアよりのため本当にこの紛争を知りたい人は別途資料を読むことをオススメします。

『スター・トレック イントゥ・ダークネス』はスター・トレックの新しい映画シリーズの第2弾。イギリスのドラマ『SHERLOCK(シャーロック)」にシャーロック役で出演しているベネディクト・カンバーバッチが悪役として出演している。ベネディクト・カンバーバッチ大人気ですね。二転三転するストーリーでハラハラして非常にテンポがよく面白い。むちゃくちゃのカークに冷静なスポックという組み合わせが腐女子に受けそうなくらいに熱い。

『ガッチャマン』はガッチャマンを題材にしたギャク。行動矛盾が多すぎる。なぜ日本人は物語を書けないのか。ダークナイトが流行ったからって苦悩するヒーローを無理にやらなくてもよろしい。本当に続編作るんだろうか。

『マン・オブ・スティール』はスーパーマンのリブート作品。『ウォッチメン』や『エンジェル ウォーズ』を監督したザック・スナイダーの作品なので期待してたんだけど、瞬間移動で殴り殴られみたいなアクションで残念だった。ゾット将軍あたりになると飽き飽きしてくる。微妙にはさまる回想もテンポを悪くしてるし、親父が無敵すぎる。ノーランのシナリオはダークナイトライジング同様楽しめない分けではないんだけど、主人公の行動理念がなにもないのは微妙だなぁ。

『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は同アニメの新作カットを追加した総集編。なんだけど、涙腺崩壊ポイントがぎゅぎゅっと詰まっているので、涙腺への波状攻撃でより感動する作品に仕上がっている。よいとまっちゃんでした。

9月は『キャプテンハーロック』、『009ノ1 THE END OF THE BEGINNING』、『ウルヴァリン:SAMURAI』、『コードギアス 亡国のアキト 第2章 引き裂かれし翼竜』、『ウォーム・ボディーズ』、『クロニクル』、『イップ・マン 最終章』の7本を観た。続邦画脚本のレベルの低さを再確認。

『キャプテンハーロック』は荒牧監督の映画。もとセガでCGを製作していた部署が作った会社がCGを担当している。今度こそはと何回も荒牧監督の映画を観てるんだけど、一向にシナリオが良くなる傾向がない。そろそろ潮時か。ハーロックって自由が大切じゃないヤツは殺してやるみたいなキャラだっけ?

『009ノ1 THE END OF THE BEGINNING』は009のスピンオフ的な作品だけど、ほとんど関係ない。サイボーグ同士の戦いなら良かったんだけど、最後の方にゾンビとか出てきてもうアレ。なんで日本人はこんなに脚本書けないんだ。特撮出身だから甘く評価してくれると思ったら大間違いだ。

『ウルヴァリン:SAMURAI』はウルヴァリンシリーズの第2弾だけど前作との関連はないらしい。個人的には前作ほどの面白さはなかったかな。面白日本文化満載なのは面白かったけど。シルバーサムライ格好良かった。ヒュー・ジャックマンもワイルドで格好いいな。

『コードギアス 亡国のアキト 第2章 引き裂かれし翼竜』はコードギアスのOVAシリーズ第2話。製作が遅れに遅れ1年待った。坂本真綾演じるレイラ・マルカルの可愛いこと可愛いこと。俺の中でこの作品の50%はコレ。残り50%はキモイ動きのKMF。

『ウォーム・ボディーズ』はゾンビの主人公が襲った女の子に一目惚れしてしまい、彼女と生活するうちに人間に戻っていってしまうというお話。ゾンビの集団から女の子を匿うためにゾンビの真似をさせたり、死臭を付けたりして、いろいろとゾンビの生態を逆手に取ったストーリーになっていて面白かった。ラブコメとして非常にオススメできます。

『クロニクル』は実写版AKIRAと噂される作品。ある日隕石に触れて不思議な力を手に入れた主人公とその仲間達がその力を暴走させていってというお話。主人公の境遇は悲しく、主人公のいとこである親友はバラ色の生活、劣等感を拭えない主人公はいとこの忠告を無視して力を暴走させていくという本当にAKIRAみたいなお話です。ラストのこの二人の対決も見物。

『イップ・マン 最終章』はブルース・リーの師匠の自叙伝を元にした映画の完結編。イップ・マンの生誕を記念して何本か製作されているんだけどこれは誕生のシリーズの最終作らしい。アンソニー・ウォンのカンフーアクションが観られる貴重な作品。太平洋戦争終結後の混沌とした香港で、イップ・マンとその弟子達の生きていくための苦悩が描かれている作品。お話の緊張感、カンフーアクションともに非常に良かったです。詠春拳恰好良いな。

この期間は非常に豊作が多かったなぁ。これまでの中からでも10作品に絞るのは大変だ。次はラスト10月から12月です。

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