藤原竜也が主演の映画ということで、『太陽は動かない』を観てきました。エンディングで観たことがない映像が次々と流れるなって思ったのですが、前日譚としてWOWOWのドラマがあるんですね。どうりで市原隼人の扱いが雑だと思った。と言うことでドラマ未見での感想です。
率直な感想は予告詐欺。この予告を予備知識なしで観た場合、24時間ごとに危機が迫る特殊工作員のテンポが良いアクションものと思ってしまうのですが、そういったシーンは半分ぐらいで、爆死の危機も煽りの割に少ない、そしてテンポを悪くする主人公鷹野の初恋シーンで、テンポが非常に悪い。
もちろん、鷹野が何故こんなリスキーなエージェントになったのか、1日1日を生きることを強く思っているのかの背景を知る意味では、そういったシーンが少しは必要だと思うのですが、初恋シーンに関しては、親友の存在以外はカットしても良かったのではないかと思いました。物語のテンポが悪いし、どういう意図があるのかよく分からなかった。
あと、ポスターヴィジュアルのわりに田岡役の竹内涼真の出番が少ない。前述の鷹野の過去シーンが長い影響もあると思いますが、物語自体が各国のエージェントの駆け引きをメインとしているため、敵対エージェントのデイビット役のピョン・ヨハンとのシーンが多く、並び的には藤原竜也、ピョン・ヨハン、竹内涼真、ハン・ヒョジュという感じです。ただ、少ない尺ながら田岡の列車でのアクションシーンは良かった。
そして、少し気になるのが配役と日本語の発言。ピョン・ヨハンとハン・ヒョジュはネイティブではないのでこれは仕方ないけど、AYAKOという日本人を連想させるような役名でハン・ヒョジュを起用したのか気になる。コードネームっぽいのでもしかしたら韓国人設定なのかもしれないけど、日本人っぽい名前でたどたどしい日本語は気になりすぎる。ただ、本人がアクションをやっているなら、切れは良かったし、もう少しアクションみてみたいと思った。なお、太ももがとても良かったことをお伝えいたします。あと、横田英司もなんで中国人エージェント役だったのか気になる。
邦画にしてはアクションシーンはかなり迫力があるし、見応えもあるのですが、もう少し映画単体としてブラッシュアップした方が良かったのでは。特にドラマ版と平行するなら、各国の駆け引きとアクションにメインを置き、鷹野の過去についてはもっとドラマに譲っても良かったのでないかと。メインストーリーと過去の話の双方が中途半端になったことより、ネグレクトや日本の研究や発明に対する姿勢へのメッセージも中途半端になっていると感じる。
この構成ではドラマでの続きが気になりすぎて消化不良な感じが半端ない。無料のプロモーションではないので、映画は映画で独立して、行間が気になる人はドラマも観てくださいって感じにして欲しかった。藤原竜也なのでカイジみたいのを期待すると拍子抜けするかも。劇場版の文字すら付いてないし、エンディングロール観て、ドラマ版があることに気が付いた。
余談ですが、加藤清史郎、めっちゃ大人になってた。柳の話も気になる。