『インヴィジョン・ワールド 001』読んだ

なんてSuper-Augmented-Realityだ!

ベースは現代技術を無効化できる能力の持ち主の主人公が能力者達と邂逅し世界の謎に迫っていく物語。『とある魔術の禁書目録』や『魔法科高校の劣等生』みたいなのが好きならばこの物語も楽しめると思う。キャラクターやお話としては悪くなかったけど、ジャンル的にラノベでは飽和気味な感じはする。前述の2作が好きな人、ツンデレなヒロインが好きな人は読んでも損はなさそう。

舞台はコンピューターグラフィックス(以下CG)に質量を与えることに成功し、建物や衣服などなんでもCGで生み出すことができる世界。そんな世界で突如サーバートラブルによる「悪夢の七日間」と呼ばれる世界が異界化(ワールドロスト)する大災厄が発生した。この災厄が始めに発生した地域には「始まりの迷宮」と呼ばれる巨大な異界取り残された。今現在もこの「始まりの迷宮」を発端とする異界化が続いており、人類はこの迷宮を攻略するため、兵器アプリの使用に特別な才能を発揮する創成士(イマジニア)とが災厄の後も残っており、この「始まりの迷宮」を攻略するための人材育成が各地で行われていた。

主人公神凪遥斗は創成士としての能力は低いもののこのCGに干渉し暴走させるという異能使い。「悪夢の七日間」で行方不明になった妹を探して「始まりの迷宮」の攻略を目指している。幻想都市イデアにきて早々最悪の出会いをしたヒロイン緋桜杏奈とパーティを組むハメになっ遥斗は、幼なじみのエンジニア白兎羽奈子、羽奈子の仲間の騎月狗郎、学園のはぐれ者恋塚美亜をつれて次元迷宮で発生している創成士襲撃事件を追うことになるのだが……。

前述の通り主人公はどこかで聞いたことのある能力の持ち主なので馴染みやすい。自分の強さに自信過剰でわがままなヒロイン緋桜杏奈を理論的に制する姿はなかなか面白い。そんなヒロインと次元迷宮でのさまざまな冒険を通して打ち解けていくのは王道でありながら面白かった。ヒロインに隠されたある秘密がほどよくアクセントになっていると思う。学園の思惑、創成士襲撃事件の犯人、ヒロインの謎、行方不明の妹捜しがうまくリンクしていて世界観の構成も良いと思う。

CGが現実化しているという特徴以外が他の作品でも補完できる要素が多く少し希薄なのが残念。ヒロインや仲間たちも秘密以外はわりとありがちな感じで目立たない。次巻以降は大きな謎も動き始めそうなのでその流れに期待したい。

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